個人的、旅行計画(大分旅行メモ)

学生時代から好きなラジオ番組のひとつが「シンクロのシティ」(TOKYO FM)。
ボイスレコーダー片手に東京の人々の声を集めて、それに対してパーソナリティーがコメントしていくスタイルのラジオ番組で、いろんな人の声が聞けて楽しい。選曲も他の時間帯とは少しちがうタイプの曲が多くて、そういう意味でも親しまれている番組。*1
働き始めてからはお休みの時しか聞けないのだけれど、休日にトラックリストをたどって楽しんだりしている。


先日の放送で、「旅行の予定、キッチリ立てる方?」というテーマがあって、意外と予定を立てない人多いんだなという印象を受けた。www.tfm.co.jp
ただ、ふと自分の旅行スタイルを振り返ってみると、昔ほど事前に予定を立てることがなくなった。それでも色々な情報収集なり、最低限の交通経路なりを考えたりしているのだが、それは幾つかの要所要所に限られるような気がしている。そこで、どういう考え方で旅行しているのかのメモを書き出してみようと思った。
ただ、題材もなしに書くのも面倒なので、先日ちょうど行ってきた大分県の旅行プランやメモを含めて、以下の通り書き出してみる。
 
書き出す上で、普段の旅行ポリシーを考えると、いくつかの前提条件がある。

  • 旅行先は基本国内。海外旅行は条件が異なる。
  • 一人旅と二人以上の旅行は事情が違う。
  • 一人旅の目的は、定番旅行先を回りつつ、旅行ガイドでは見られないものも見ること。なお、歩き回るのは全く苦にならない。
  • ご当地のものを食べるのも好きだが、基本は見て読んで知ることを中心にして「地域を掴む」という感じ。
  • (費用・時間的な面で)経済的にに回れることに越したことはない。
  • タブレットを持参するため、現地からネット経由での予約や情報収集は可能。

なお、先日の大分旅行は11月7日-10日の3泊4日。諸般の事情で出発は午後になったため、現地着は同日夜。8日は終日イベントのため、実質的な観光は9日、10日の2日間だった。また、宿泊地は諸般の事情で大分市内に3泊とした。
訪問したのは大分市内、臼杵別府市(鉄輪)、由布院豊後森、日田。

事前の準備
  • 航空券の手配、大まかな交通経路の構想

悩んだが、今回は羽田-福岡をスカイマークで往復にした。福岡からは行きのルートをJRの特急ソニックにすることだけを決定し、帰りの経路は未定のまま出発した。
羽田-大分便利用の旅行パックや、LCC(成田-大分でJetstarがある)も考えたが、検討開始が遅かったのもあって、総合的にはどれもあまり変わらないように感じた。
ちなみに大分空港は県北部にあり、別府・大分方面までは直通バス又は杵築駅までのバスの後JRとなる。杵築市街は駅から少し離れているが、特徴的な城下町があり、カブトガニ押し。半日程度の観光先としては悪くない。
福岡空港からは、バスもしくは博多駅からの特急(小倉経由のソニック、又は久留米・由布院経由のゆふいんの森)の利用となる。通常、九州は高速バスが強く、鉄道よりも高速バス(昼行)が経済的だが、JR九州の「2枚きっぷ」や「九州ネットきっぷ」等を利用すると、今回の場合はほぼ変わらない値段か、鉄道の方がやや安く移動できる。
参考:ネット限定きっぷ|JR九州
 

  • 宿泊地の手配

今回は諸般の事情で大分市内に3泊。
結果論的に言えば、大分県の場合は、大分駅が交通の要所で、遅い時間まで開いている店も多くて便利。
 

  • 荷物

立ち寄り湯に入る可能性を考えて、念のためバスタオルを1枚追加。
今回は考えなかったので入れなかったが、水着着用の温泉もある。
 

旅行中のプラン作り

 

  • 事前勉強

るるぶの大分県版を一通り読んで、県内の主要都市の位置と売り、名産品等を把握。ただし、るるぶは別府・由布院が中心で、今回訪問した地域はほぼ1-2ページの扱い。基本、温泉宿への宿泊がイベントとなる観光地で、宿泊以外の日中の観光情報は、他県版に比して少ない印象がある。そのため、実質的には以下の情報入手の方が中心になっている。
 

  • 現地での情報入手

大分駅構内の観光案内所で各市のパンフレットを入手。主要観光地以外は自治体ごとに発行している。
るるぶ等の情報が少ないこともあり、旅行中は基本的にこの情報を元に歩いた。大抵は地図がついていて便利。
また、大分駅でJR久大本線の時刻表(冊子版)をメモした。
特にローカル線の場合、細かい乗り継ぎの時間を知るためには事前のメモが一番手っ取り早い。
 

るるぶの情報では飽き足らない場合、結構これが役に立つ。
 

  • 各地バス会社のサイト

大分の場合は「バスなび大分」が、地図からバス停を選択できてある程度有用だが、細かい路線図は必ずしも調べにくい。
バスなび大分 -大分のバス運行情報とお出かけ情報
大分交通以外に臼津交通や亀の井バスなどのサイトも見たが、実際には同路線を複数のバス会社で共同運行している場合もあり、わかりにくい。どこへ行っても、これを使えば絶対安心という手はないように思われ、どうしても出たとこ勝負の感がある。
別府については、以下が一番わかりやすかった。
亀の井バスの別府・湯布院観光に便利な路線「ぐるすぱ」と「ゆふりん」のご案内
 

  • 帰路をどうするか

前述した通り、出発の時点では帰路未定だった。
出発時点でのプランは2つあった。
(1)別府(亀川など)、杵築、宇佐、中津などに寄って特急ソニック又はバスで帰るコース
(2)由布院、日田など久大本線沿線に寄り、日田から福岡空港行きの高速バスで帰るコース
結果的には2を選んだ。理由は、特急ソニックは速くて車内は快適だが、線路幅的に結構揺れることや、日田からの高速バスがそれなりの頻度で運行されている(15-60分に1本ペース)ことなど。
 

  • レンタカー

今回は利用しなかったが、くじゅう高原や他の電車の便の少ない地域へは、車がないと難しい地域も多い。交通費も考えると、一人旅の場合どちらが得かは目的地によって微妙なところだが、中日に12時間程度借りても良かったかもしれない。
 

各地のメモ(行って気づいたこと含む)

今年できた駅ビルが楽しい大分駅をはじめ、県庁所在地だけあって遅い時間まで人が多く、開いている店も多い。
駅前には大友宗麟フランシスコ・ザビエルの像。お土産としても、戦国期のキリスト教布教関連のものが目立つ。「ざびえる」は味もさることながら、箱に豪華感がある。
ざびえる | ざびえる本舗
府内城は堀と塀ぐらいだが、横の県庁あたりの遊歩公園周辺には、滝廉太郎終焉の地の碑などがある。
駅近くに「あたみ温泉」という銭湯風の温泉がある。駅近くでは駅ビル最上階にも新しい温泉施設があるがお値段が張る。「王子温泉」に行きたかったが、今回は行かなかった。
 

国宝の臼杵石仏が最優先目標だったが、バスが少ない。
今回、行きは上臼杵からタクシー(1500円弱)、帰路は徒歩で臼杵市街に5-6km(50分)
ひとまず鉄道で臼杵に向かってしまったが、実は大分市からバスが出ているので、これが利用できると良かったのではないか。
また、臼杵駅で貸しているレンタサイクルで向かうのも悪くないように思われた。
石仏自体も良いのだが、古園石仏から見る集落の風景も良かった。
国宝 臼杵石仏 公式ホームページ
 
臼杵市街から駅までも800mほどある。駅の方向がわかりにくいので一定の勘が必要とされる。
訪問日は「うすき竹宵」の翌日で、片付け等もあり多くの商店が休みだった。
うすき竹宵 | -Official Website-
臼杵城は大友家の城だが、関ヶ原以後は美濃斎藤家の家臣出身の稲葉氏が明治まで治めた。
三菱財閥の大番頭、荘田平五郎の故郷で、荘田平五郎記念こども図書館がある。
荘田平五郎 - Wikipedia
荘田平五郎記念こども図書館 | 臼杵市役所
図書館から徒歩すぐのところに祇園さんとも呼ばれる八坂神社があり、七五三に訪れていた親子連れがおり、和んだ。
縁起の「大友宗麟キリスト教帰依による寺社仏閣の迫害を避け」という下りが面白かった。
八坂神社 (臼杵市) - Wikipedia
カニ醤油合資会社は稲葉氏移封前年の先遣隊が始めた県内最古の企業という触れ込みで、味噌ソフトクリームも凝っていて良かった。
創業慶長五年。400年以上続く味噌醤油の製造業、カニ醤油のホームページへようこそ!
 

  • 別府

別府は別府八湯と呼ばれる温泉地に分かれ、「別府温泉」は別府駅最寄の温泉地の名称でもある。
今回は湯けむりと地獄で有名な鉄輪(かんなわ)温泉に向かった。
鉄輪温泉へはバスが多く、他の温泉地に向かう場合にも経由地になりうる。
時間がなくて体験できなかったが、地獄蒸し工房は自分で料理もできて楽しそうだった。
地獄蒸し工房 鉄輪|観光施設|別府市観光情報サイト
 

由布院は朝もやが名物だが、天候的に望み薄と判断してのんびり行った。
全て普通列車で、大分-由布院が約1時間、由布院-豊後森豊後森-日田が約30分ずつ。
今回はダイヤの関係で、観光は由布院4時間、豊後森1時間、日田2時間。
今回は個別に切符を買ったが、別府泊であればJRの規定的に一枚で途中下車可の切符になるはずなので便利かもしれない。
また、別府から由布院までだけであればバスの方が便数も多く安い。豊後森から日田まではバスもあるが、時間がかかる上、高い。
逆方向であれば日田発由布院着のバスが早朝にあるので、旅程次第では便利かもしれない。
 
由布院は金鱗湖周辺がちょうど紅葉の見頃だったが、団体観光客も多く、どちらかといえば白滝川(大分川)沿いの土手から見る景色の方が印象に残った。結局乗らなかったが、辻馬車やレトロカーがかわいい。
豊後森は数日前に豊後森機関庫ミュージアム(ほぼ休憩所)ができたところだった。
豊後森機関庫ミュージアム11月オープン【予告】 | 日本一の「おんせん県」大分県の観光情報公式サイト
豊後森機関庫活用推進協議会
また、豊後森駅周辺から見る伐株山(きりかぶやま)が良かった。
日田到着は4時半ごろで、主要観光地は軒並み閉店間近だったのが残念。
日田は駅近辺の観光地(豆田町界隈)だけでなく、川沿いの風景や醸造所見学などもできるため、あと半日あっても十分楽しめたと思う。
駅前の「H TA」のオブジェがあり、駅も日田杉の産地だからか木材が多く使われていてきれい。
大分)「H TA」? 日田駅におしゃれなモニュメント:朝日新聞デジタル
豆田町に向かって日田市民文化会館「パトリア日田」が目を引く。横に戦没者の慰霊塔がある。
日田市民文化会館「パトリア日田」|大分県日田市

*1:9月に一度番組終了が決まったが、リスナーの声もあってその後撤回された。とても嬉しい。/ シンクロのシティ~半蔵門の奇跡~ - Togetterまとめ