最近聞いている音楽2023貝寄せ

概況

ある種のケアラーとしての「ワンオペ」の問題と、その支援の問題について考えたり、人に任せることと監督することのバランス感覚について考えながら、次に来るのは若い人かしらと思っていたら、そうではなくてちょっと意外だった。でもよく考えてみれば、この半年のパートナーもそうだったし、前の部署でも大先輩に不遜にもつっこんだりしていたので、誰が来ても今更ではある。職場のお茶会の当番で、お菓子の調達について、ドラッグストア・スーパー・菓子専門店(二木の菓子/おかしのまちおか等)の比較研究を3か月程して楽しんだ。そんなこんなで2年目。あるいは11年目。

Web 2.0の終わり(又は変節)というテーマで何となく引っかかった記事*1を、しばらくタブレットのブラウザに残して考えたりしていたら、Twitterがいよいよ岐路を迎えそうだ。非公開運用してきたFavologのバックアップを取ったりしながら、今はいない人々のかつてのツイートを思い起こしたりしていた。大丈夫だろうと言われてはいるものの、Togetterのバックアップを念のため取っておくかどうか迷っている。

大学時代の指導教官が退職で、イベントに集まった大学院時代のゼミの先輩方と久しぶりにお会いして、最近の話ができたのがとても嬉しかった。在学中に何の集まりだったか、「就職して、こんな会話ができる集まりの貴重さを感じる」という話を聞いたのをふと思い出した。その時は「まぁ目の前のことが第一の話題になるからだろうな」と思っていたのだけれど、どちらかと言えば「なんとなく目に入る世界が変わっていく(往々にして狭くなっていく)」ことの自覚という意味もあったのかもしれない。最近でも教育関係の文献についていろいろと目を配るようにはしていたけれど、見えていない世界が広いなと感じた。

長尾宗典さんの『帝国図書館』を発売日に買って帰ったら、ご献本いただき恐縮する。主要参考文献やあとがきに出てくる人々に時々にやっとしつつ、春の読書日和。

冬のお伴

冬の間のお伴は、Bialystocks(ビアリストックス)の楽曲群だった(Bialystocks - 差し色Bialystocks - Winter)。川谷絵音がこれから期待するバンドに挙げていたり*2、関ジャムの年間特集なんかでも取り上げられたらしい(当該回は見逃した)。映画監督も務める人の作品だけあって、MVもおしゃれ。あとは、First Love is Never Returned - シューズは脱がないでとか、DURDN - My Planなども聞いたのだけれど、そろそろ80s的なサウンドリバイバルもピークを越えただろうか。

テレビから

夜中にテレビをながら見(聞き)していて、サニーデイサービス - 海辺のレストラン*3がいいなと思った。あまり個人的には馴染みのないバンドだったのだけれど、サニーデイ・サービス - 風船讃歌のMVを見たりして、こういうバンドだったのかと思うなど。そういえば、年末の紅白ではmilet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy)*4が素晴らしかった。Aimerは残響散歌のような曲よりも、Aimer - 歌鳥風月のような美しい情景描写の曲を歌うイメージで、そちらの方が似合っているような気もするのだけれど、あの曲でアーティストとしての幅は広がったなと思った。ポケモンのアニメのリニューアルで、ロケット団もフェードアウトかと思いながら、ロケット団 - ロケット団よ永遠にを聴いていた。折しもコナン映画の季節で、林原めぐみの演技の振れ幅を感じるところ。

また、高橋幸宏坂本龍一をはじめ、ビックネームの訃報が相次いだ。浅学なので、高橋幸宏についてはYMO以外の活動をあまり存じ上げなかったのだけれど、「NHK MUSIC SPECIAL 高橋幸宏 創造の軌跡」で取り上げられた「YMO以外」の音楽活動の厚みが興味深く、しばらく取り上げられた曲を探しては聴いていた。高橋ユキヒロ - エラスティック・ダミーの古びなさや、原田知世高野寛を迎えたPupa - At Dawnの "When I think of you / Do you think of me?" という歌詞や、小山田圭吾らと共に結成されたバンドのMETAFIVE - Submirineが印象に残った。坂本龍一では、NEWS 23が冒頭でかつてのエンディング曲(坂本龍一 - put your hands up)を流していたのが印象的だった。今年になって出したアルバムの最後のトラック*5坂本龍一 - 20220304)で鳴る風鈴のような音は、自らのエンディングを暗示していたのだろうか。

設定だけ/からの歌

NHKがタローマンとかいうのをやりだしたなと、視界の端にだけ入れて注視しないようにしていたら、年末にやっていた「タローマンヒストリア」を偶々見てしまい、タローマン合唱団 - 爆発ダッ!タローマンをフル尺で聴かされてしまって、まんまとモキュメンタリーの世界に囚われてしまった。スマートフォンの機種変更をした関係で、Disney+を期間限定で見られるようになったので「ファイアボール」のシリーズに改めて嵌ってしまい、串田アキラ - おれが海賊(宇宙海賊キャプテン・レジナルド)*6などもよく聴いていた。スターウォーズ関係でも見るかと思っていたのに全く見ることができておらず、代わりに「お帽子、おベルト、おズボーン」*7みたいな呪文を唱えていた。
ところで、虚構新聞の4月1日の記事がモキュメンタリー映画監督のインタビュー*8で、また藤子・F・不二雄のSF短編が各所(全集刊行・ミュージアムの企画展・ドラマ化等)で改めてフューチャーされる昨今だけれど、一方で、フェイクと紙一重の、現実近似の設定を持つ創作作品を取り巻く厳しさをどう考えたものだろうか、とやや暗い気分にもなる。とはいえ、SF短編のドラマを見ながら、作品の古さを改めて感じるようにもなったのだけれど。

春のお伴

暖かくなるのが早かったからか、「あったかい蕎麦を食べた後にコーヒーでも行きませんか?」と誘い出される平賀さち枝 - 春の嵐や、大橋トリオ - long way home feat. Kenta Dedachiといったアコースティックなサウンドをよく聞いている。リュックと添い寝ごはん - 東京少女のような明るいバンドサウンドもよい。「あの夕日に…」と繰り返すのが印象的な下津光史 - 夕日*9も聞いてみたり。

RRR

映画「RRR」を観て、話題の「ナートゥ」よりも、個人的にはエンディングのEtthara Jendaの方が好みだった。インドの各地域の抵抗・独立運動家が出てくるのが面白いのだが、初見ではチャンドラ・ボース以外わからず、改めてリストを見てもマラーター王国のシヴァージーぐらいしかピンとこなかった。映画の劇伴全体としてはライト・モチーフをしっかりやっているように感じた。エンタメとしてとても良くできているけれど、しかしそうだからこそインド植民地時代の描き方とその意味についての懸念についての意見もなるほどとは思う。

ポップしなないで

ポップしなないでがメジャーデビューとなり、デビューアルバム「戦略的生存」 (ポップしなないで - メデューサポップしなないで - でいだら、とか)を聴いていた。ポしならしさの自己紹介と挑戦的な部分の合わさった楽曲が多いと思う。「挑戦的」という言葉で言えば、広瀬香美 - プレミアムワールドも印象に残った。

インストゥルメンタル、あるいは劇伴。

インストゥルメンタルではLAGHEADS - Playgroundを何度か聞いた。ジャズっぽい関連では映画「BLUE GIANT」が話題になっていたので、サントラからN.E.W.なんかを流し聞いたのだが、迫力の演奏なのだけれど、ちょっとちゃんと聴くのは疲れるかも…と思ってしまった。また、インストゥルメンタルではないのだけれど、路地 - 月と舟とか、Eric Gale - De Rabbit*10なんかも、そういったものとして楽しんだ。
阿部海太郎が音楽担当のドラマが続く。「らんまん」は、時々京都人になるなと思いつつ、「グレースの履歴」で新作を聴いたりしている。武田カオリのエンディング曲*11はどこかで公開されるだろうか。

<楽曲リンク集>

  • Bialystocks - 差し色

Bialystocks - 差し色【Music Video】 - YouTube

  • Bialystocks - Winter

Winter - YouTube

  • First Love is Never Returned - シューズは脱がないで

First Love is Never Returned『シューズは脱がないで』Lyric Video(JPN/EN sub) - YouTube

  • DURDN - My Plan

DURDN - My Plan (Live Version) - YouTube

海辺のレストラン - YouTube

サニーデイ・サービス - 風船讃歌 [Official Video] - YouTube

  • milet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy)

milet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy) / THE FIRST TAKE - YouTube

  • Aimer - 歌鳥風月

Aimer 『歌鳥風月』 (5月3日発売BEST ALBUM新録曲) - YouTube

ロケット団よ永遠に - song and lyrics by ロケット団 | Spotify

エラスティック・ダミー - YouTube

  • Pupa - At Dawn

At Dawn - YouTube

  • METAFIVE - Submirine

Submarine - song and lyrics by METAFIVE | Spotify

put your hands up (piano Version) - YouTube

20220304 - YouTube

  • タローマン合唱団 - 爆発ダッ!タローマン

爆発だッ!タローマン - song and lyrics by タローマン合唱団 | Spotify

  • 串田アキラ - おれが海賊(宇宙海賊キャプテン・レジナルド)

Space Pirate Captain Reginald - YouTube

春の嵐 - song and lyrics by Sachie Hiraga | Spotify

long way home feat. Kenta Dedachi - YouTube

  • リュックと添い寝ごはん - 東京少女

リュックと添い寝ごはん /東京少女 [Music Video] - YouTube

  • 下津光史 - 夕日

夕日 - YouTube

  • Etthara Jenda

Full Video: Etthara Jenda (Telugu) | RRR | NTR,Ram Charan,Alia,Ajay Devgn | Keeravaani |SS Rajamouli - YouTube

【MV】ポップしなないで「メデューサ」(Pop Never Dies - "Medusa") - YouTube

  • ポップしなないで - でいだら

でいだら - YouTube

広瀬香美 - プレミアムワールド (Official Video) - YouTube

  • LAGHEADS - Playground

Playground - YouTube

  • 路地 - 月と舟

路地「月と舟」@りんご音楽祭2017 - YouTube

*1:ソーシャルネットワークの黄昏、Web 2.0の振り返り、そして壊れたテック/コンテンツ文化のサイクル – WirelessWire News

*2:川谷絵音が振り返る2022年の音楽シーン | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

*3:NHK「これって攻めすぎ!?世界旅行」オープニング

*4:元々はSONYのワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」のタイアップ企画だったんだろうか。

*5:「曲」と呼ぶのが適切なのかはよくわからない

*6:劇中で言及されるだけで登場しない「宇宙海賊キャプテン・レジナルド」のテーマソング

*7:ファイアボール ユーモラス 第3話「ハイペリオン交点」より

*8:「モキュメンタリーで人をハッピーに」 劇作家・後藤ひろひとさん

*9:下津光史は「踊ってばかりの国」というロックバンドの人らしい

*10:サンソンの「ウサギで棚からひとつかみ Part.2」(2/19)で紹介されていた

*11:武田カオリ on Twitter: "本日夜10時よりNHK BS プレミアムにて放送開始しますドラマ「グレースの履歴」のエンディングの歌を担当しました。 滝藤賢一さん、尾野真千子さんという間違いない布陣です。 是非! https://t.co/Ndwz2R7WUi" / Twitter