動向
冬には1泊2日の抜歯手術を受けたり、年末に(流行の感染症ではなく)寝込んだりもしたけれど、とはいえ、元気にのんびり過ごすようにしている。
震災から10年で、Maia Hirasawaの「Boom!」を聞き直した。様々なままならなさと付き合いつつ、また春を迎えた。
ところで、半年も書かないと自己の同一性に揺らぎが生じるような気がする。何故この曲聴いてたんだっけなどと思う曲もいくつかあった。
邦楽
- 寺尾紗穂 - 北へ向かう
だが、キセルのアレンジによって前向きに進んでいく楽曲と、〈僕らは出会いそしてまた別れる〉〈日々生まれてゆく新しい愛の歌が/あなたにも聞こえますように〉という歌詞を聴いていると、誰もが経験する出会いと別れ、ふとした時に「あの人元気かな」と思い返すような何気ない感情を切り取った、普遍的な楽曲にも聴こえてくるから不思議だ。
寺尾紗穂『北へ向かう』はなぜ聴く者の心を動かすのか? 情景を通して歌われる「生命の愛おしさ」について - Real Sound|リアルサウンド
寺尾紗穂さんの曲は真冬のストックホルムで「たよりないもののために」を聴いていた個人的経験があって冬の季語のような感じがするのだけれど、実際に冬の夜に入院中の病院のベットの上でこの曲を聴いているのは、とても風情があった。春近づきてぬるくゆるびもていくと、ちょっと合わないのかもと思っていたのだけれど、実際には3月リリースのアルバムの曲であるのもわかる感じに、また少し違う風に聞こえた。6月の台風が来る頃に聞いたらどうなるんだろうか。そして今年は何度、北に向かうことができるんだろうか。
- Nulbarich - TOKYO
JQ(Vo)がNulbarich結成以前に葛藤の中で生きる自分自身に向け書いた楽曲。今まで音源化されておらず、バンドの最初期以来長らくライブで披露されていなかったことからファンの間では幻の楽曲とされていた。JQは現在のコロナ禍で感じている戸惑いや不安を当時の気持ちと重ね合わせ、リアレンジを施し楽曲を完成させた。
Nulbarichが幻の楽曲「TOKYO」配信、バンド結成以前の葛藤と今の不安を重ね合わせて音源化(コメントあり) - 音楽ナタリー
という来歴の曲であるが、JQの「Tokyoやニューヨークみたいに、目的があって人が地方や世界から集まる場所で生きてると、日々自分との葛藤が必要。そんな心情を書き下ろした曲です。」というコメントのとおり、アソシエーションとかゲゼルシャフトとか、そういうタームの中で生きることについて想起させつつ、でもそういう社会の中での「どっちでもいいかぁ」という言葉の力に希望を感じる。
年末に新日本風土記で「東京紅白歌合戦」というスペシャル版をやっていて、「東京」と名の付く(あるいは題材とする)歌の変遷や、歌から見える東京の断片の違いがとても面白かった。ちょうど朝倉さやさんが「新・東京」を出したりもしていて、これも良い曲なのだけれども、そんなタイミングで年が明けてNulbarichのこの曲がやってきたというタイミングの妙もあったりする。
東京の郊外に生まれ育つと、こういう曲で歌われる「東京」には郊外は含まれてないよね、と思ったりもするのだけれども。
- Klang Ruler & 新しい学校のリーダーズ - どうにもとまらない
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「どうにもとまらない」はそれこそいろんな人がカバーしており、代表的なところでは米米CLUBのジェームス小野田氏が楽しそうに歌っているのが好きなのだけれども、Klang Rulerのアレンジと新しい学校のリーダーズのSUZUKAさんの歌い出しで、ちょっと新しい側面を見たような気がした。
- 折坂悠太 - 旋毛からつま先
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こういうわちゃわちゃした曲はのんびりできて良いよね。ワン・ツー
【NHK紅白】星野源『うちで踊ろう(大晦日)』フル・バージョン - YouTube
1番を先出しした上で、ちょっと経ってから2番以降でおっと思わせるのは星野源お得意の技と言って良いと思うけれど、そこでちゃんと時代を掴んで星野源として何を言うかを考えているように見えるのは凄いなと思う。
- odol - 歩む日々に
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時世に合った暖かい曲だなぁと思ったら、森永乳業のコーポレートムービーで流れてきて納得した。
もし隣にいても遠く離れても同じに
優しい眼差しであなたはあなたのまま
やさしい歌だし、離れ離れでも共にいるということを考えさせてくれる気がするのだけれど、しかし「あなた」はどこにいるのだろうか、という点で小坂明子感がある。
なかにし礼の訃報の後にいろいろと出てくる中で、ホテル・カリフォルニアの日本語カバー(なかにし礼訳詞)があったのを知った。原曲の不穏な部分が曲調に残りつつ、訳詞の方は少し退廃的な明るさがあって、ちょっと面白い。
- BUMP OF CHICKEN - Flare
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BUMP OF CHICKENがバンド結成25周年だそうで、一瞬「えっ」となった。「天体観測」が2001年なので、それから数えても20年と聞くと感慨深い。バンドとしてはこの1年いろいろあったけれども、曲調としてはずっと一本芯を通しているような気もして。BUMP OF CHICKENは「おかえりモネ」のオープニングにも決まったそうだから、しばらくはお近づきになるんだろうな。
- kiki vivi lily - 80denier
kiki vivi lily - 80denier (Official Audio) - YouTube
- BEYOOOOONDS - こんなハズジャナカッター!
洋楽
- Clean Bandit - Higher (feat. GRACEY and iann dior) [Official Acoustic Video]
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オリジナルよりもアコースティックバージョンの方が好みなアレンジな気がする。
- James Taylor - Handy Man
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「京都人の密かな愉しみ Blue修業中 燃える秋」で使われていたのだけれども、良い曲だね。
- Jacob Collier - All I Need (with Mahalia & Ty Dolla $ign)
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確か「おげんさんといっしょ」で紹介されていた曲なのだけれど、コーラスの入り方と曲の展開の仕方が、こう広がっていくのかと思わせられる。
- Hozier - Almost (Sweet Music)
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アイルランド出身のシンガーソングライターらしい。ジャズのナンバー等が散りばめられた歌詞はちょっと難解。タップダンスは楽しそう。
- Crazy Frog - Axel F
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よく聞く曲だけどこういう出自の曲(ドイツの着メロ会社のコマーシャルソング)だったのかと初めて認識した。カエル。
- Basement Jaxx - Hush Boy
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踊るウェイター。