最近聞いている音楽2019薫風

動向

動向らしい動向もなく、それはそれで問題なのである。
GWには、ラッキーオールドサンのインストアミニライブに行った。

邦楽

  • ヨルシカ - だから僕は音楽を辞めた

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4月19日の「バズリズム02」(日テレ)で紹介されたのをみてチェックした。連休中にタワーレコードの新宿店に行ってみたら、新譜発売のタイミングだったのもあってか猛プッシュされていた。疾走感のあるテーマなのだが、間奏のピアノスケールとか、細かいところの音色は繊細。

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1-3月クールの「イノセンス 冤罪弁護士」(日テレ)主題歌。King Gnuは「Tokyo Rendez-Vous」の印象が強くて、なんだかいつも「うんざりだー」と歌っているような気がするのだけれども、実はそんなことはないらしい。この曲も「うんざり」という言葉は曲の後半に1度だけ出てくるだけなのだ。上述のヨルシカの曲が、変わってしまった自分に対するやり場のない憤りなのだとすれば、King Gnuのこの曲は、過去の自分に対する後悔を引き受けて、うんざりしながら生きていくことを歌っているという点で、ある種の延長上にある曲としても位置付けられるのかもしれない。(適当)

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界隈では「赤羽橋ファンク」と呼ばれるらしい、ハロプロディスコサウンド。発表当時はそうでもなかったのだけれど、何度か聞いてくると「夢に見てた自分じゃなくても/真っ当に暮らしていく/今どき」という児玉雨子の詩が効いてきた。

ハロプロつんく♂にしろ、AKB/坂道界隈の秋元康にしろ、年配の男性作家が書いた詞曲を10代女子が歌うのがこれまでのアイドル楽曲の一般的な形式だったわけだが、ここにきて歌う側と作る側の年代が一致、つまりシンガーソングライター的な自作自演の作法により近づいてきているのが近年のハロプロ楽曲ということになる。そこでは歌うアイドルが楽曲に感情移入しやすく、さらに受け取る同性女性リスナーにとっても共感しやすいという事態が多く起こっている、のかもしれない。

女性作家の台頭にも注目 - Real Sound|リアルサウンド

という批評もあるけれど、ある種特殊なジェンダー構造の下にあったアイドルサウンドが、構造変化の状況を迎えているのだとすれば、とても興味深いなと思う。一方で、ハロプロの歌詞は、愛を歌いつつ、独特の社会観を提示してきたという気もしていて、その現在地としても理解できるのかもしれない。

  • FFJの歌

朝ドラ「なつぞら」で登場した。日本学校農業クラブ連盟(Future Farmers of Japan(FFJ))という団体名や、こういう歌を作る状況というのが、とても1940年代から1950年代の日本っぽい(なお、FFJは現在も活動を続けている)。「あまちゃん」の時に岩手県立種市高等学校海洋開発科の「南部ダイバー」が流行ったことを念頭にしたのかどうかはわからないけれど、NHKは、こういう曲を見つけてきてドラマに生かすのは上手だよなと思う。

FFJの歌ではないけれど、こういう愛唱歌的なものとしては、1970年代の荒井由実「瞳を閉じて」(長崎県立五島高等学校奈留分校の校歌)のことを想起せざるを得ない。奈留島全体の愛唱歌にもなっているというこの曲は、「遠いところへ行った友達に/潮騒の音がもう一度届くように」という歌詞に象徴的なように、島に残る/島から出ていくという、(特に高度成長期の)人口移動の問題を意識しているようで、とても「時代の歌」感がある。個人的には「NHKアーカイブス」のテーマソングとして使われていたのが印象に残っていて、深夜に作業をしながら聞いていた記憶がある。

  • ラッキーオールドサン - 旅するギター

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晴れて男女デュオから夫婦デュオになったラッキーオールドサンの新アルバム。最近では、AppleのCMに「やりたいようになりたいように」が起用されるなど*1、ファンとしてはほんのりうれしい日々である。前作のフォーク調から、今回はロックンロール調に変わったけれど、このバンドの行く末を眺めていたいという感覚がある。CDの表題曲であるこの曲の「地球の上に朝がくる/くるっと回って夜がくる/つづきをみたい旅するギター/ハローグッバイ 今日を歌うだけ」というサビに、生活を歌い、少し仄暗く、でも明るい、ラッキーオールドサンらしさがあるような気がした。次は何をしてくれるのだろうか。
他の収録曲はまだ聞きこなせていないので、また。

  • SASUKE - 平成終わるってよ

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15歳の子が30年余りの時代を歌う曲なのだが、うまいこと時代をつかんでいるような歌詞が巧み。曲調の軽やかさが、改元のどうでもよさを茶化しつつ、「次の時に向けて」と述べるような。このMVは悪くないのだが、バラエティ番組でひな壇芸人と踊るタイプの曲なのかはちょっと疑問。

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「「英語に聞こえる日本語、日本語に聞こえる英語」をテーマにしたトリックソング」と提示され、細かいところまで気の利いた歌詞は、さすが岡崎体育とのコラボである。英語詞と日本語詞のすれ違いと、ちゃっかり入っているMONKEY MAJIKの宣伝が面白い。

  • JYOCHO - つづくいのち(circle of life)

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Youtubeの広告で入ってきて知った曲。ストリングスと透明感のあるボーカルがそよ風のよう。

インストゥルメンタル

インストゥルメンタルバンドの系譜はよくわからないのだが、2018年に20周年を迎えたバンド。春から初夏にかけてのさわやかな風に合うのはこの曲かなと。

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Spotifyで適当なプレイリストを流し聞いていて見つけたピアノトリオ。こちらも時期に合うさわやかなものを。

  • Seiho - I Feel Tired Everyday

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こちらもSpotifyで適当に聞いていて引っかかったテクノ系の曲。